岡山大学医学部整形外科学教室で研修を受けた後、米国ジョンスホプキンス大学整形外科バイオメカニクス研究室に留学しました。帰国後は整形外科医として診療を行う一方で、吉備国際大学で保健医療福祉学部の学生の教育と大学院保健科学研究科での研究指導を担当しています。
整形外科外来では腰痛や膝痛、五十肩などの運動器の痛みや加齢に伴う筋力低下・骨粗鬆症に対して、これまでの研究成果を生かした治療を行っています。私の外来で最も多いのは変形性膝関節症と骨粗鬆症の患者さんです。
膝関節は人体の中で最も大きな関節ですが、年と共に軟骨はすり減り、関節液の中の潤滑油の役割を果たすヒアルロン酸の量が減ってきます。このように加齢や様々な原因で軟骨がすり減った状態を変形性膝関節症といいます。変形性膝関節症の治療方針はまず保存的治療で進行を抑え、痛みの改善を図ります。それでも効果が得られない時に手術療法を行います。保存的治療には運動療法、物理療法、装具療法、薬物療法などいろいろな方法があります。最近はヒアルロン酸の関節内注射が注目されており、学術的にもその有効性が証明されています。
骨粗鬆症の患者数は現在我が国において1,000万人以上と推定されています。人口の超高齢化に伴いますます増加することが予想されます。骨粗鬆症が進行すると、転倒骨折のリスクが高まります。高齢者の骨折は寝たきりの原因となることがあり、健康で長生きするためには骨粗鬆症を予防することが必要になってきます。骨粗鬆症の治療の基本は薬物療法です。現在では骨量を増加させる新薬が次々と開発されており、根気よく治療することで骨折は予防することができます。
整形外科外来ではこの他にも皆様の抱えるいろいろな悩みに対応していますので、お気軽にご相談ください。